K-POPの枠を超え「X-POP」という新たなジャンルを切り拓くガールズグループXG。これまで彼女たちの「異次元」とも評されるパフォーマンスを分析してきましたが、その魅力を語る上で欠かせないのが音楽と完全にリンクした独創的なビジュアルコンセプトです。デビューから現在までXGが発表するミュージックビデオやステージは常に想像を超え、世界中を驚かせてきました。本記事では、そのビジュアルの進化を辿りながら隠された哲学、そしてファッションアイコンとしてのXGに深く迫ります。
XGのビジュアルコンセプトの根幹:「X-POP」の視覚的表現
XGのファッションを理解する上で最重要なのは、彼女たちのアイデンティティ「X-POP」。これは「Xtraordinary POP」の略で、国や文化の枠に縛られず、グローバルスタンダードを狙うという思想です。この思想はMVやライブのスタイリングに色濃く表れています。
「型にはまらない」を体現するスタイリング
彼女たちの衣装はY2Kファッション(2000年代初頭のリバイバル)、フューチャリスティック(未来的)、グランジ(粗野で反骨的)など多彩な要素を自由にMIXし、一つのスタイルに固定されません。XGはトレンドを追うのではなく、自らがトレンドを生み出す強い意志を持ち、常に挑戦を続けています。その結果「XGらしい」と一目で分かる唯一無二のスタイルを確立しました。
ジェンダーレスな魅力
XGの魅力はビジュアル面でも従来の「かわいい」「セクシー」といったガールズグループのステレオタイプを超越しています。オーバーサイズのストリートウェアをクールに着こなし、中性的な衣装で堂々とパフォーマンスを披露。「何にも定義されない」その姿勢はファッションを通して強烈なメッセージとして発信されています。
【MVで辿る】XGビジュアルの進化
彼女たちのビジュアルの移り変わりを、代表的なMVごとに時系列で追っていきましょう。
Phase 1: 「Tippy Toes」「MASCARA」 – ガールクラッシュの誕生
2022年のデビュー期、XGは黒基調のレザージャケットやミリタリースタイルで登場。キャットアイラインで鋭さを増したメイクは「女性が憧れるカッコいい女性像=ガールクラッシュ」を体現し、K-POP最新シーンに衝撃を与えました。「謎の超実力派グループ」という第一印象を決定づけたのもこの時期です。
Phase 2: 「SHOOTING STAR」「NEW DANCE」 – 宇宙的Y2Kドリームポップ
2023年、XGはメタリック素材や鮮やかなブルーを多用し、宇宙や未来を想起させる世界観を構築。「SHOOTING STAR」では髪色を青に統一したビジュアルがSNSで爆発的に拡散されました。一方「NEW DANCE」では開放感あるロケ地でY2K×ストリートファッションを見せ、可愛さもプラス。多面性を感じさせました。
Phase 3: 「WOKE UP」 – 常識を打ち破る衝撃ビジュアル
2024年5月、「WOKE UP」で彼女たちはついに常識を破壊。COCONAとJURINが剃り上げた坊主ヘアで登場し、ヒップホップカルチャーを意識したグリル(歯のジュエリー)や派手なタトゥーシールで過激に攻めました。XGが単なるK-POPガールズグループではなく、ヒップホップに根ざすアーティスト集団であることを世界に知らしめた瞬間です。
メンバー別ファッションキャラクター
メンバー | スタイル特徴 |
---|---|
JURIN | ボーイッシュでクール。ストリートをリーダーらしく纏う。 |
CHISA | モノトーン基調でシック、大人っぽい洗練。 |
HINATA | ミステリアスで少しエッジの効いたエレガンス。 |
HARVEY | モデル仕込みのモード感。個性的な着こなし。 |
JURIA | ガーリーかつフェミニン。柔らかい色使い。 |
MAYA | Y2K風LAガールのように元気でポップ。 |
COCONA | ヒップホップ要素が最も強い。最年少なのに最も攻める。 |
最新トピック:G-SHOCKグローバルアンバサダー
2025年7月1日、XGはCASIOのG-SHOCKグローバルアンバサダーに就任。耐久性とタフさを誇るG-SHOCKと、XGの挑戦的なイメージが見事に融合し、ファッションアイコンとしての地位をさらに強固にしました。
まとめ:XGのビジュアルは未来へのメッセージ
XGにとってファッションは単なる見た目ではなく、音楽・哲学と並ぶメッセージそのもの。「常識に縛られず、自分らしく生きよ」という強いテーマをビジュアルで表現し、世界のシーンに新たな刺激を与え続けています。
次回予告:ワールドツアー編
シリーズ次回はXG初ワールドツアー「The first HOWL」レポートをお届け。熱狂の現場から見える彼女たちの未来を語ります。
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