東京(羽田・成田)とソウル(仁川・金浦)の距離は約2時間半と近く、深夜便(レッドアイ)を使えば、仕事や学校の後に出発して翌朝から行動することも可能です。一方で、到着が夜間〜早朝になるため、空港から市内への移動手段、睡眠・防犯・費用といった現実的な課題も丁寧に確認する必要があります。本記事では、2025年時点の公開情報に基づき、深夜便のメリット・デメリット、そして仁川国際空港(ICN)到着後の移動方法(AREX、深夜バス、タクシー、仮眠施設)までを整理しました。
深夜便(レッドアイ)とは?
深夜便は、深夜に出発して翌朝に到着する便の総称です。夜間の時間を移動に充て、現地での滞在可能時間を最大化するのが特徴です。短距離の東京↔ソウル路線でも、深夜発・早朝着のスケジュールが組まれることがあります。
韓国行きの深夜フライト
Peach
日本のLCCで羽田発02:10のソウル(MM809)行きは、韓国行き深夜便として一番の人気を誇っています。仕事おわりに弾丸渡韓するのにおすすめです。金曜日の深夜に出発、日曜の夜に帰国するという、0泊2日の弾丸韓国旅行を可能にしています。料金も非常にリーズナブルであり、終電で羽田空港に向かっても、十分間に合います。

ティーウェイ航空
成田・関西・福岡の3空港から深夜便があります。出発時刻は21:30〜22:30で、韓国到着は翌日の00:15〜01:15、料金はも比較的リーズナブルです。

チェジュ航空
韓国最大手LCCとして高い信頼性があります。成田・関西空港から深夜便を運航しており、韓国到着は23:30〜23:35と他社より少し早めで、深夜バスや24時間営業の交通手段でソウル市内へ移動点がおすすめです。

深夜便を選ぶメリット
① 現地の可処分時間を最大化できる
学校・仕事終わりに日本を出て、翌朝からソウル観光や出張予定をスタートできます。時間の使い方が効率的で、弾丸旅行とも相性が良いです。
② 航空券の価格や空席の選択肢が広がる場合がある
日中の人気時間帯より割安なことがあり、繁忙期でも深夜枠の空席が見つかるケースがあります(ただし時期と航空会社によって変わります)。
③ 都内→空港のアクセスが取りやすい
羽田・成田ともに夜間アクセスの選択肢があります。特に羽田は深夜発の相性が良く、仕事終わりの移動に向いています。
深夜便のデメリット
① 睡眠の質が下がりやすい
機内で熟睡できないと、翌日の行動に響きます。アイマスク・耳栓・ネックピローなどの準備が必要です。
② 到着直後の公共交通が限られる時間帯がある
仁川空港の鉄道(AREX)は早朝に初発が動き出しますが、深夜帯は運行がありません。一方で深夜バスや深夜割増のタクシーは動いており、賢い選択と安全対策が求められます。
③ タクシー代が上振れしやすい
深夜時間帯はソウル市内で夜間割増(最大40%)が適用される時間帯があり、道路料金(空港高速の通行料)も加算されます。予算計画は多めに見積もりましょう。(割増の公的案内あり)
仁川空港に深夜・早朝到着した時の移動手段
ここでは、AREX(空港鉄道)、深夜リムジンバス、タクシー(国際タクシー含む)、そして空港内の仮眠・滞在施設を具体的にまとめます。
1)AREX(空港鉄道)|始発を待ってコスパ良く移動
仁川空港からソウル駅を結ぶ鉄道。「直通(Express)」と「各駅(All-stop)」の2タイプがあり、直通は所要約43分、運賃は大人9,500ウォンの目安です。(料金・所要時間・時刻表に関する出典あり)
- 初発時刻の目安(平日):T2→ソウル駅 05:15/T1→ソウル駅 05:23(各駅)※観光公社の時刻案内・直通の時刻表参照
- 運行時間帯:おおむね05:15〜23:50前後(タイプや曜日で変動)
- メリット:料金が安く、渋滞の影響を受けない。直通は荷物置き場や座席快適性が高め。
- デメリット:深夜帯は運休のため、初発まで空港で待機が必要。
- こんな人に最適:費用を抑えたい人/05時台以降に余裕がある到着の人/朝にソウル駅へ直行したい人。
ワンポイント:直通(Express)と各駅(All-stop)は乗り場・改札の色分けや案内が異なります。オレンジのサイン(直通)を目印にし、券売機・アプリでチケットを購入。外国発行クレカ対応の券売機が増えており、紙チケットのQRやモバイルQRで入場できます。
2)深夜リムジン(ナイトバス)|鉄道が止まる時間帯の主力
仁川空港からソウル駅・東大門DDP・江南方面などへ向かう深夜専用バス(N6000/N6002/N6701など)が運行しています(路線・ダイヤは改定されるため、最新の空港公式「ナイトバス案内」を参照)。
- 代表的な行先:N6000(江南・高速バスターミナル方面)、N6002(清涼里・ソウル駅方面)、N6701(東大門デザインプラザ方面)など。
- 発着:T1は1階バスのりば、T2は交通センター地下(B1)のナイトバス停から乗車。
- 運賃の目安:N6000/N6002=10,000ウォン、N6701=18,000ウォン(T-moneyカード現金可/一部はアプリ予約対応)。
- 運行本数の目安:深夜0時台〜明け方に毎時数本(路線による)。
- メリット:深夜帯に確実に動く公共交通。大きな荷物でもOK。
- デメリット:道路状況に影響。停留所がホテル最寄りと限らないため、到着後に短距離移動(徒歩・タクシー)が必要な場合あり。
- こんな人に最適:深夜着〜始発前に市内へ移動したい人/タクシー代を節約したい人。
ワンポイント:同一路線でも系統・時刻が改定されることがあります。2025年8月からはN6001の運行変更(N6002/N6000へ移行)告知が出ています。必ず空港公式のナイトバスページで当日確認してください。
3)タクシー(一般/国際タクシー/ハイヤー)|深夜の確実性は高い
空港1階の乗り場から、一般タクシー(中型)・デラックス/大型・国際タクシーが24時間利用可能です。夜間割増(ソウル市内 22:00〜翌4:00で最大40%)があるため、到着の時刻によって費用が変わります。
- 夜間割増の目安(ソウル市発表):22:00〜23:00=+20%、23:00〜02:00=+40%、02:00〜04:00=+20%。市外走行の割増や通行料が加わる場合あり。
- 国際タクシー(International Taxi):外国語対応・空港〜ソウルの定額制を提供(標準車種の定額例 70,000ウォン、デラックス等は高め)。※区間・条件で変動、英語サイトで最新料金を確認
- アプリ手配:現地アプリや配車カウンター利用可。空港公式ページに乗り場番号の案内あり。
- 費用感(一般論):中心部まで5〜7万ウォン前後+通行料が目安※混雑・時間帯で変動。
- メリット:ドア・ツー・ドアの安心感。深夜でも確実に動く。
- デメリット:割増や通行料でコスト高。一部の時間帯は配車待ちが発生することも。
- こんな人に最適:荷物が多い/ホテルが駅から遠い/家族・グループで割り勘。
ワンポイント:乗り場の表示(1C/3C/4C/7Cなど)は種別ごとに分かれています。金銭トラブルを避けるため、正規乗り場から乗車し、定額・メーター・通行料・カード可否を乗車前に確認しましょう。
4)空港で仮眠・朝まで待つ|カプセルホテル&トランジットホテル
深夜〜早朝に初発のAREXや朝のバスまで待つ場合、空港内の有料休憩施設の活用が便利です。
- ダラクヒュー(Darakhyu)カプセルホテル:T1は交通センター地下1階、T2はターミナル内。時間課金/オーバーナイト(20:00〜08:00)などプラン有。※T1の所在地・受付、FAQで24時間レストランは現在なしの記載あり
- トランジットホテル(T1エアサイド):保安区域内で仮眠が可能(乗り継ぎ条件)。
- ラウンジ/シャワー:営業時間はラウンジごとに異なるため、夜間は休業の施設もある点に注意。
ワンポイント:深夜の飲食店営業は縮小傾向のため、到着前に軽食や飲み物を確保しておくと安心です。
到着時間帯別・おすすめ移動シナリオ
ケースA:到着が23:00〜翌02:00(割増40%帯)
- 最優先案:深夜バス(N6000/N6002/N6701)で主要エリアへ→ホテル最寄りまで短距離タクシー。
- コストより安心重視:国際タクシーの定額または一般タクシー(割増・通行料を考慮)。
- 休息重視:空港内カプセルホテルで仮眠→05時台のAREXでソウル駅。
ケースB:到着が02:00〜04:00(割増20%帯)
- 深夜バスが運行中なら優先。ダイヤが薄くなる時間帯は、次発を待つより空港で休憩→AREX始発のほうが楽な場合も。
- 荷物が多い・家族連れはタクシーが現実的。安全と体力温存を優先。
ケースC:到着が04:30以降(AREX初発が近い)
- 待機してAREX各駅または直通がコスパ良。ソウル駅からは地下鉄・タクシーでスムーズに分散移動。
費用比較の目安(2025年情報)
手段 | おおよその費用 | 所要時間 | 主な発着 | 向いている人 |
---|---|---|---|---|
AREX直通 | 大人9,500ウォン | 約43分(T1→ソウル駅) | T2/T1 → ソウル駅 | 朝の移動/渋滞回避/荷物少なめ |
AREX各駅 | 直通より安価(区間制) | 約59〜66分(T1/T2→ソウル駅) | 主要駅経由(弘大・金浦など) | コスパ重視/途中駅下車 |
深夜バス | N6000/N6002:10,000ウォン/N6701:18,000ウォン | 約50〜80分(路線・渋滞次第) | T1 1F/T2 交通センターB1 | 深夜着〜始発前に市内入りたい |
一般タクシー | 5〜7万ウォン+通行料(深夜割増あり) | 約45〜70分(渋滞・時間帯) | T1/T2 正規乗り場 | 荷物多い/ドアツードア/家族・グループ |
国際タクシー(定額) | 例:標準 70,000ウォン(英語対応)※区間等で変動 | 約45〜70分 | T1/T2 指定乗り場・カウンター | 英語対応・料金の見通し重視 |
※上記は目安。ダイヤ・運賃・割増は改定されるため当日の公式発表を優先。
深夜便ユーザーの安全・快適チェックリスト
到着前の準備
- ホテル住所の韓国語表記をスクショ保存(アプリ圏外でも提示可)。
- eSIM/Wi-Fiを事前手配(配車・決済・翻訳に必須)。
- 現金少額とT-money(交通カード)を用意(ナイトバス利用に便利)。
- 機内睡眠グッズ(アイマスク・耳栓・ネックピロー)。
空港到着後
- 正規のタクシー乗り場から乗車(客引きは回避)。
- タクシーは定額orメーター+通行料、カード可否を乗車前に確認。
- ナイトバス乗り場の位置(T1:1階、T2:交通センターB1)を把握。
- 空腹対策:24時間レストランの縮小に注意、軽食持参が安心。
深夜便でありがちな疑問Q&A
Q1. 仁川空港は24時間開いている?
空港は24時間運用で、カプセルホテル(Darakhyu)やトランジットホテルなど夜間滞在設備が整っています(施設別の営業時間は要確認)。
Q2. AREXはいつから動く?
平日の初発はT2で05:15、T1で05:23(各駅)。直通の時刻表も朝から運行します(曜日・本数は時刻表参照)。
Q3. 深夜バスの料金と購入方法は?
N6000/N6002=10,000ウォン、N6701=18,000ウォンが目安。交通カード(T-money)や現金、路線によってはアプリ予約に対応。
Q4. 深夜のタクシー割増は?
ソウル市の案内では、22:00〜23:00=+20%、23:00〜02:00=+40%、02:00〜04:00=+20%。空港高速の通行料も別途かかります。
スケジュール設計のコツ(実例)
モデルA:金曜夜・東京出発 → 土曜早朝・仁川着
- 深夜着:ナイトバスN6002でソウル駅、ホテル荷物預け→朝食→朝から観光。
- 仮眠重視:T1/T2のDarakhyuでオーバーナイト→05時台AREXで市内へ。
モデルB:家族旅行(子ども同伴)
- 荷物多めなら国際タクシー定額でホテル直行。安全と睡眠を優先。
モデルC:出張(朝イチ打合せ)
- 直通AREX+ソウル駅で身だしなみ整え、地下鉄・タクシーでオフィスへ。
最後に:深夜便を「味方」にする準備力
東京↔ソウルの深夜便は、時間効率とコストの柔軟性が魅力。一方で、夜間の移動・睡眠・安全管理という課題に正面から向き合う必要があります。公式の時刻・割増・運賃を当日も再確認し、代替プラン(ナイトバス/カプセルホテル/タクシー定額)を用意しておけば、夜着でもストレスは最小にできます。この記事を下敷きに、あなたの旅の最適解を見つけてください。
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著者(ライター):こむぎ🌾|東京↔ソウル渡航ナビ編集部
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